パステル色な日々

気ままに綴るブログ

この件は誰が決めるんですか?となったときのデリゲーションポーカー

こちらはFringe81株式会社のアドベントカレンダーです。前日はHase8388のBQMLに新たに追加されたTRANSFORM句で、モデルの前処理を自動的に行う - Qiitaでした

はじめまして、Fringe81でチームファシリテーターをやっている pastelInc といいます。
今日はチームの支援活動の一環として行ったデリゲーションポーカーを共有してみようと思います。

誰がどこまでやれるのかがわからない

皆さんの周りに権限はありますか?多かれ少なかれあると思います。

この件は誰が決めるんですか?

こんな言葉が業務中に聞こえました。話を聞くと権限状態がよくわかってなかったようです。
このケースでは組織に変更がありました。再度組織を構築し直していたのでこのような質問が出てきたのです。

とある作業「〇〇をやったら△△に確認をしなければいけない」
とある作業「〇〇をやる前に△△に確認をしなければいけない」
とある作業「〇〇をやるには△△と合意しなければいけない」

少し別の話をします。様々なユースケースによりますが、権限には段階があります。
上記の例ではそれぞれ権限のレベルが異なっているのがわかるでしょうか。

権限委譲という言葉があります。権限を完全に移譲してしまうと、上記の例のように確認や合意をする必要はありません。
上記の例のように確認や合意をするということは権限には任せきれていない状態があるということです。
つまり、権限委譲とは0または1の状態以外にも段階があるということです。

はじめの話しに戻ります。そこで私は、誰がどの段階の権限を持っているのかわかってもらうことにしました。
そのほうが開発チームが自分達で権限状態を把握した上で行動しやすくなると思ったからです。

みんなにどこまでやれるのか知ってもらう

デリゲーションポーカーは権限状態を関係者間で明らかにするための強力なツールです。

先程の権限段階の話を思い出してください。デリゲーションポーカーではぜんぶで7段階で権限を表現しています。
数字が小さいほど権限委譲される側に権限がなく、数字が大きいほど権限委譲される側に権限があります。
つまり、1は権限委譲が進んでいない段階で指示されたままに行動する段階、7は権限委譲が進んでおり完全に任せてしまう段階になります。

デリゲーションポーカー
デリゲーションポーカー

やり方は簡単です。話したい権限テーマに合わせて人を招待します。

  1. まず一人ずつ1から7のカードの組を配ります
  2. 話したい権限テーマを決めます。例えば「コードレビューのコメントを取り込むかどうか決めるのは実装者である」 
  3. 次にテーマに合わせて全員が期待する権限段階を表明します
  4. 全員の前で自分が出した数字の根拠を話します。例えば「実装者は技術レベルが異なるので大きすぎる権限は危険である。だからスペシャリストが決めるべきだ。でも、意見は言いたいから3がいいと思った。」
  5. 数字が異なった場合は話を聞いた上でもう一度3からやり直します

そして見える化

決まった権限状態は見えるようにしておくのがおすすめです。全員が誰がどのレベルの権限を持っているのか把握できます。

他のユースケース

例えばこのようなユースケースが考えられます。

  • これから権限委譲しようと思っているとき
  • 繰り返し確認を求められて必要ないのに認識があってないと感じるとき
  • 何かの独り立ちを目指しているとき、ステップバイステップで権限を委譲していく

さいごに

チームで権限について疑問をなくすことが重要です。なのでデリゲーションポーカーをすることが大切なのではなく数字が異なったときの話し合いに価値があるのです。なぜ任せられないのか、お互いの立ち場からしっかりと表明しましょう。自分達のデリゲーションスコープを明らかにして終わりではありません。自分達がもっとスコープを広げたくなったら相談してみましょう。そしてまた、なぜその数字なのか根拠を言うところから始めましょう。

明日はlilpacyにバトンをつなぎます!任せた!